こんにちは、MASAです。
レイヤーを整理する時に使うプリコンポーズ。
簡単な機能ですが、「よく理解し、的確に使うこと」はむずかしいと思います。
そこで今回、プリコンポーズについて詳しく解説します。
- プリコンポーズのやり方が分かる
- プリコンポーズをどんな時に使うか分かる
- プリコンポーズの注意点が分かる
理解が深まると、スキルUP!
では、いってみよう。
プリコンポーズとは?
プリコンポーズとは、複数のレイヤーを1つにしてグループとして扱うことが出来る機能のこと。別コンポジションとして、格納してくれます。
コンポジションは、別のコンポジションを階層的に入れて使うことがあります。
このときプリコンポーズを行い、コンポジション化して制作していきます。
プリコンポーズの方法
プリコンポーズする対象のレイヤーを選択します。
メニューバーから、レイヤー>>プリコンポーズを選択します。
以下ショートカットキーが便利です。
プリコンポーズ:Ctrl (Cmd) + Shift + C
名前を付ける⇒項目を設定⇒OKでプリコンポーズ完了です。
元のレイヤーを編集したいときは、ダブルクリックすると、コンポジションが開きます。
各項目については、以下解説します。
属性を残すか/移動させるかの選択
属性とは、レイヤーが持つエフェクトやマスク、トランスフォームなどの情報のこと
すべての属性を新規コンポジションへ移動を選択した場合:レイヤーの属性ごと移動する
すべての属性を残すを選択した場合:新しくつくられるコンポジションに属性が引き継がれる
「残す」を選択できるケースは、単一の平面レイヤー、調整レイヤーや画像など。
シェイプレイヤーやテキストレイヤー、複数のレイヤーを選択している場合は残すことができません。
ほとんどの場合、「すべての属性を新規コンポジションへ移動」を選択することになります
「すべての属性を新規コンポジションへ移動」の設定
選択したレイヤーの長さに合わせてコンポジションのデュレーションを調整する
プリコンポーズによって新しくつくられるコンポジションのデュレーションを、レイヤーの長さに合わせるか選ぶことができます。
チェックしない場合は、現在のコンポジションのデュレーションで作られます。
新規コンポジションを開く
プリコンポーズによって新しくつくられるコンポジションを、開いた状態で再開するか選ぶことができます。
チェックしない場合は、現在のコンポジションに留まります。
レイヤーのグループ化以外、どんな時に使えるか?
プリコンポーズは、以下についても便利です。
- 再利用できる
- 変更を同時に反映できる
- 特定のレイヤーのみ反映できる
- 一部を差し替えて使用できる
- 合成順番を変更したい場合に使用する
再利用できる
プリコンポーズされたレイヤーは単一のレイヤーなので、1つの素材として扱うことができます。
コンポジションレイヤーを複製することで、再利用することが可能です。
変更を同時に反映できる
コンポジションレイヤーをどれだけ複製しても、コンポ内は同一となります。またコンポ内の編集は複製されたすべてのコンポジションレイヤーに反映されます
たとえば、コンポジションレイヤーを2つ複製したとします。
計3つのコンポジション。ダブルクリックして、コンポ内を開くと、コンポジションレイヤーすべて同一となります。
仮に、1つのコンポジションでシェイプレイヤー5を削除してみると…
コンポ内は、4つのレイヤーで同一となってます。
特定のレイヤーのみ反映できる
特定のレイヤーにだけ、
- 同じエフェクトを加えたい
- トランスフォームを同じ値で変更したい
このような時は、プリコンポーズの出番です。
たとえば、下の画像で上から1番目、3番目、5番目のレイヤーをプリコンポーズ。
次に、エフェクト「塗り」を掛けると、特定のレイヤーのみに適用できます。
複数のレイヤーへ同時にエフェクトを掛ける方法は、調整レイヤーを使う方法もあります。
しかし、調整レイヤーは、調整レイヤーの下にあるレイヤーすべてにエフェクトがかかってしまいます。
今回のようにエフェクトを掛けたくないレイヤーがあるときには、プリコンポーズを使うとよいです。
一部を差し替えて使用できる
エフェクトやキーフレームを適用した素材を別の素材に差し替えたいとき、再度エフェクト、キーフレームを適用しなおさないといけません。
しかし、事前にプリコンポーズを行い、コンポジションレイヤーの中身を差し替えれば、エフェクトやキーフレームを適用しなおす必要がありません。
以下、例を挙げてみます。
プリコンポーズした素材に、エフェクトやキーフレームを適用しておきます。
ダブルクリックでコンポ内を開いた後、プロジェクトパネルにある差し替えたい素材とタイムラインの素材を選択します。
以下、ショートカットで差し替えます。
Alt (option) + ドラッグ
または、
Alt (option) + Ctrl (Cmd) + /
キーフレームやエフェクトはそのままで、素材のみが入れ替わりました。
合成順番を変更したい場合に使用する
アフターエフェクトでは通常、以下の順番で合成されます。
:マスク⇒エフェクト⇒トランスフォーム⇒レイヤースタイル
:マスク⇒トランスフォーム⇒エフェクト⇒レイヤースタイル
合成順番を変更する例:画像に対し、エフェクトを掛けてからマスクを掛ける
プリコンポーズなしの場合
マスクにエフェクト(タービュレントディスプレイス)が掛かってしまいました。
プリコンポーズありの場合
エフェクトを掛けたレイヤーをプリコンポーズしているので、マスクは影響受けません。
プリコンポーズの注意点
プリコンポーズを使用するときの注意点は、以下2つです。
- コンポジションの階層を把握する
- コラップストランスフォームを知っておこう
階層を把握する
プリコンポーズを繰り返すと、階層が深くなり、構成が把握しにくくなります。
そんなときは、右クリック→「コンポジションフローチャート」あるいは「コンポジションミニフローチャート」で階層を確認することが出来ます。
コンポジションフローチャート
コンポジションミニフローチャート
- プリコンポーズをするときは、あとから見ても分かりやすいようにしよう!
- レイヤー名変更も併用しつつ、作業しやすいレイヤー構造を心がけよう!
コラップストランスフォームを知っておこう
コラップスをOnにすると、プリコンポーズされていても合成順番が変更されません。
まるで「プリコンポーズしていない」合成結果を得るということです。
- 描画モード
- 3Dレイヤー
- エフェクト
- トランスフォーム
- モーションブラースイッチ
- 調整レイヤースイッチ
以下は、描画モードの例です。
ここでは描画モードを「通常」→「覆い焼きカラー」へ変更。
レイヤーをプリコンポーズすると、見た目が変わってしまいました。
そのあと、コラップストランスフォームをONにすると、合成されていない状態に戻りました。
3Dレイヤーを扱う場合も同様。コラップスをONにしないと2Dとして認識されてしまいます
さらに3Dとして動かす場合は、3DスイッチもONにして座標を3次元にする必要があります
まとめ
After Effectsのプリコンポーズについて、以下解説しました。
- プリコンポーズのやり方
- どんな時に使うか
- 注意点
細かいことは知らなくても作業できますが、基本をしっかり押さえ、スキルを確実に上げていきましょう。